【+R(リフォーム)】いろいろな+R

みなさまこんにちは。
ONE'S HOME +R の金原陽一です。
今回の+Rリフォームは“たくさんの+R”がメインとなります。
お客様の想いを受け止めて、今度は造り手側からどのような想いを込めて形にできるか。
約18年という長い歳月を、ご家族と共にこの場で育ってきたシンボルツリー。

リフォーム計画に伴い伐根せざるを得ない状況とはいえ、いざ文明の利器を用いて切るとなればそれはほんの一瞬のこと。
18年の歳月がほんの一瞬の間で、後は根を残す状態になりました。

ご家族の生活と一緒に育ってきた木にも生命が宿っていますので、いたしかたないとはいえ少なからず心がチクっとします。
シンボルツリーに重ねた色々な思い出や大切にしたい記憶“Recollection:リコレクション”など、想いがたくさんつまった場が一瞬でなくなってしまうことは、やはりどこか寂しい感覚があって当然のことだと思います。

形あるものはいずれなくなってしまうことは避けられませんが、人の心にある想いはずっとなくなることのない大切なものです。
『この想いを何か形にできないかな?』
『何かに使えないかな?』
『仮に使えとしたって一体何に??』
『この曲がりくねった木を、、どういう風に、、』
『一体何に、、、どうする?』

基礎工事中も特に大事にするわけでもなく無造作に置いておく程度。

とりあえず捨てないように、また捨てられないようにしておこうってくらいの感覚でした。
もし何かに使える時がきたらそれはそれでちょうどいいかな?ってくらいの軽い気持ちでしたね。
・・・
・・・
・・・
人間って、願えば、想えば、
そのようになるのですね。
リフォーム工事も終盤を迎えたころ、ようやくリユースできそうな案が浮かんでくれました。
先のウォールナットはご主人に。
こちらは奥様とそこへ来てくれるお客様に。
『これなら喜んでもらえそうかな・・・』
ぼんやりとしていた想いがようやく頭の中で形になってきました。
『想いを形に』
さて、この曲がりくねった枝。
曲がった幹。
さてさて・・
切ろうとしてもどう切ったらいいかサッパリ??
正直こんなことやったことないし自分にできるのか??
マジ??

スタートはこんな感じでしたね。
でもなんとかしてこの曲がったシマトネリコの木を使いたい。
この曲がりくねった木の切り口同士を平行にするにはどうしたら??
あれやこれやと考えた結果、安定させる為の枕台を作ったり、切る為の定規治具を作ってみることにしました。

この仕事に従事しておりますので、それなりに色々な道具は使ってきている方だとは思いますが、曲がりくねった木を正確に切るなんてめったにありません。
捨てるために切ったことはあっても、正確に切ろうなんてことは生涯初めてのことです。
本職の大工職であれば、木を切るにあたっての“いろは”を心得ていますが、その域にはまるで到達していません。
試行錯誤を繰り返して、
『これならなんとか自分レベルでもいけるんじゃないか?!』
ってところまで、かろうじて辿り着けたって感じです。
私もこれが本業ではなく見様見真似のガチで自己流なので、できたら本職の人には見てほしくないなっていうのが本音ですけどね。
先ずは安定して切れるように、凹みを加えた枕台にしっかりと枝を固定するところから。

切断にあたり丸鋸をスムースに走らせることができるように、ベニヤ板で切台の治具を作って固定。

自然そのものの形の枝なので、あっち向いたり、こっち向いたりと、好きな方向に曲がってくれています。
この枝の切断面に支障が出ないように、
木片で高さを確保したり、
切る時に枝が暴れないようにクランプで固定したり、
何度か試行錯誤を繰り返しながらようやく切断できるであろう?というところまで辿り着けました。

実際に自分でやってみると、嫌っていうほどよくわかりますよね。自分の技術レベルの低さと未熟さが。

その点やっぱり本職の知識と技術は凄いと思いますね。
私はこの太さと大きさの枝にさえ振り回されてしまっているのに、本職の大工職はもっと曲りくねった大きな自然の形そのものも木を、建物の構造部材に理路整然と組まれるように加工できるのですから。
技術では当然として太刀打ちできませんが、想いと考えを最優先に形にすべくトライです。

ようやく切断できる準備が整いました。
定規に合わせて切れば真っすぐいくはず!
とにかく焦らず、
慎重に、
呼吸を整え、
定規に沿わせて丸鋸でカット。
いざ息を止めて!いったれ!

さすがにこの時ばかりは本当に息が止まるかと。汗
何かが見方してくれて思っていたよりも綺麗に切ることができて良かった! ^^)
どうなることかと思いましたが、なんとかそれなりに切ることができました!

このたった3本の枝を同じラインで切るために、治具作りと固定にどれだけの時間を費やしたことか。汗

おそらく切ることだけに費やした時間は1分もかかっていません。
治具作りと固定には2時間くらい費やしたかなと。汗
同じ要領で、もう一本の方も切っていきます。

こちらは先の枝よりも幾分シンプルだったので、比較的短時間で切ることができました。
とはいえ、曲がっている材料を上と下で平行に切るのって、とんでもなく大変な作業なんだということを、身をもって知ることができ、とても良い経験を積むことができました。
『言うは易く行うは難し』
↑まさしくコレですね。
振り返ってみれば、今まで無理難題や無茶なことを職方にお願いしてきた記憶が頭に浮かびます。
我々のような工務店に従事する者や、デザインや設計に従事する者は、各が頭の中で浮かんだことや、デザインがどうのこうのって言いながら、口ではあれこれ好き勝手に講釈を言いますが、それを実際に形にしてくれる職方に対し、もっと紳士的に敬意をもって接しなければならないと強く思いました。
そういった職方の力を借りて、我々の日々の生業が成り立っているということを肝に銘じなければなりません。
さて、これから組み立てです。
ここから二次試練!
たとえ枝が曲がっているとは言え、切断面がそれぞれに平行になるように、かつ組みあがった時に垂直になるようにしなければなりません。
自分なりに考えた結果、仮の木片をつけながらセットしていくようにしました。

この状態でそれぞれを板材に仮固定して、かつ大きなスコヤ(直角定規)を用いて直角を確かめながら、組み立てできる状態にしていきます。


スコヤで直角を確かめながら、クランプを用いてとにかくあの手この手で固定しています。
片側の直角が決まりクランプでのホールドができた時点で、もう片側に取り付けた木片を取り外し、今度は板材をさらにクランプでホールドしていきます。

さて、ここからがまた厄介ですよ。
私のレベルではここまでも大変でしたが、ここからも大変でした。汗
なんとか切れたものの、次はビス打ちにして三次試練!
今度は、この曲がった枝の角度に合わせてビスを打たなければなりません。
考えてみれば枝のほとんどが斜めってる。しかも細いところで枝の直径はわずか15㎜程度ときた。
真っすぐにも打てないし、
ちょっと位置がずれたらハミ出ちゃうし、
角度ミスればそれこそNGだし、
どうしよっか??
この緊張感たまらないですね。
慎重に位置出しと仮組みを何度か繰り返し、自由矩(じゆうがね)という定規を使って枝の角度を写し取るようにします。

板面に枝の位置をマーキングしてから、この写し取った角度に合わせて呼び穴をあけてビスを打つ角度を決めました。
先の要領を繰り返して、反対面もスコヤで直角を確認しながら、板材を枝に固定していきます。

ここまでくれば、仮り付けした木片を全て取り外すことができ、ようやくもう一枚の板材を固定できるようになります。要領は先と同じくとにかく直角を確認しながらの組み立てです。

本当になんとか。
なんとか組み上げることができました。




こちらのトロリーもなんとか形にすることができてよかったです。
枝の曲りを判断するのが難しく、
加えて切るのに難しく、
もう一つ加えて組むのに難しく、
できてしまえばなんとやらですが、我ながら実に感慨深いものがあります。
あの曲がりくねった枝が、このトロリーの脚に変わるなんて解体の時には想像すらできませんでしたが、納まるべきところに帰ってきたって感じがして、なんとも幸せな心持ちです。
あれやこれやと試行錯誤の結果、なんとか想いを形にできたのかなと思います。
想いを形にできたというよりか、むしろ自分のわがままを形にすることができてホッとしているといった方が合っているかもしれません。
半ば押しつけがましいことになっていないか心配な部分はありますが、少しでも想いが伝わってくれれば幸いだなと思います。
“Recollection(リコレクション)”のあるものを
“Reuse(リユース)”して
“Repair(リペア)”を施し、それに
“Ravishing(ラビッシング)” なしつらえと
“Remake(リメイク)”を加えて
“Reform(リフォーム)”をして、
そして住まい手であるお客様に“Return(リターン)”する。
“ONE‘S HOME +R”は住まい手であるお客様の想いに寄り添う考え方そのものです。









