【+R(リフォーム)】いろいろな+R

みなさまこんにちは。
ONE'S HOME +R の金原陽一です。
今回の+Rリフォームも“たくさんの+R”がメインとなります。
お客様の想いを受け止めて、今度は造り手側からどのような想いを込めて形にできるか。
約18年という長い歳月を、ご家族と共に過ごしてきたシンボルツリー。


廃棄処分の予定であったTVボード。

先のブログでは、それぞれがそれぞれの趣でトロリーに生まれ変わりましたが、もう一つ何か形にできないかなと。
トロリーに使用したのはシマトネリコの枝部分ですが、その中でも一回り太い幹がまだ残っています。

リフォーム工事を進めている時間の恩恵で、樹皮の水気も引いてきて、自然乾燥も相まってちょうど良い感じに乾いてくれています。
『これも何かに生まれ変われないかな・・・』
調子にのって欲が出てくるのですよね。
ウォールナットの底板も1枚残っているし、なんなら扉材だって。
それにこの雰囲気良くウネリ感のあるシマトネリコの幹だってあるし。

・・・
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やっぱり、これら“Recollection:リコレクション”のあるものを“Reuse:リユース”して“Remake:リメイク”しない手は無いなと!
おかげさまで、ある程度の要領を得ましたからね。
先と同じように枕台を作り、幹のウネリ具合を確認しながらどの向きが一番雰囲気良さそうか確認です。

ちょうど緩やかなS字カーブを描いており、それが平面的なS字ではなく、なんとなく回転しながらのようなS字カーブだったので、幹材をクルクル回して“ここだ”というところでクランプにてホールド。


トロリーの時は3本まとめてのカットだったのでだいぶ苦戦いたしましたが、1本だとかなりハードルは下がりますね。
同じように木片やクランプを用いて固定をして、切断治具を作って切ります。

先に苦戦した分、その経験値に助けられました。比較にならないほど早く切れましたよ。
『あなたを苦しめたその壁は、乗り越えた時それはあなたの盾となる』
↑たまに、このような言葉も目にしますよね。
廃棄予定だったTV台では、天板と底板、それに加えて扉材がウォールナットの集積材となっていました。しかもちょうど4枚。
これも当座として捨てずに取っておきました。
たまには貧乏性な性分も味方してくれます。
ここへきて、ようやくそれを“Reuse:リユース”できそうです。
もともと固定されていたビス穴のところはパテで“Repair:リペア”です。

ビスを抜いたところが少しガサガサしており、ただ単にそのままパテを埋めただけではあまり綺麗に仕上げることができないので、意図的にダイヤ形にカッターで凹をこしらえてからパテを充填します。
またこうすることで、パテ自体にも若干厚みができるので一石二鳥となります。


パテを充填した後、ほんの少しだけ霧吹きで水気を加えてパテを馴染ませていきます。
このパテはシンナー系を使用しておらず、かつ木の粉が一緒に練り込まれているので、オイル塗装との馴染みも良いです。


ここでもう1枚残っている底板の登場です。
天板はトロリーに。底板はこちらに。

通常時には底板はあまり見えないので、このウォールナット素材には若干節がありますね。

節があるのは決して悪いということではありませんよ。
むしろ節があることで、その周辺の木目の流れは不規則になる為、加工時には割れにくくなるといったメリットだってあります。
ただ、どうしても日本の風潮的視点からすると、
節の無い材
≒
良い材料
≒
珍重される・・・
といった傾向がありますが、決してそのような区分けはございません。
主に見た目の綺麗さだけで判断されてしまう傾向がありますが、製品そのものにおける優劣とは全くの別物です。
節があるということは、元々そこに枝があったというであり、その枝にはたくさんの葉が生い茂り、光合成によって空気中の二酸化炭素を吸収してくれて、かつ森林浴に欠かすことのできない新鮮な酸素をたくさん作り出してくれていたという証拠でもあります。
正真正銘、CO2削減の立役者的存在ですよ。
カーボンニュートラルの視点からしたら、最優等生だと思います。
それなのに、こういった節をみただけで
“悪い材料だ!”
“あまりよくない材料だ!”
”節がある材料をつかうなんて!”
・・って言うのは、個人的にはちょっと違うんじゃないかなって思ってしまいます。
それに節の無い材料を削るより、節のある材料を削る方が何倍も難しいですからね。
節はあったとしても、この材料も貴重なウォールナット。
トロリーの時と同じように手触りが良くなるように面取り加工を施します。


さて、ここから幹材への加工に入っていきます。
どうやって加工しよう・・・
加工にはスライド丸鋸を使うわけですが、
① ノコ刃の入る深さは一定にしたい
② ノコ刃の角度も一定にしたい
③ 刃を入れる幹はS字に曲がっている
④ だけど刃を入れる角度は全て並行でなければならない。
こういった加工治具を作るのもだんだん楽しくなってきますよ。
丸鋸の台を加工台にしっかりと固定し、幹が曲がっていても一直線に平行移動できるように、暫定の定規を固定します。

そして曲がっている幹材に木片をつけて平行移動できるようにしました。

次にノコ刃を入れる高さ決めです。
バカ棒とチビ差し矩で高さを確認します。

このバカ棒って言い方も建築や土木の独特な言い方ですよね。
私もこの世界に入りたての頃、『そこにあるバカボー持ってこい!』って言われたって
ハァァっ??

一体なんのことっすか???って感じでしたよ。
バカボー??
一体、何言ってんのってね。
簡単に言語化すると、一時的に使用する簡易的な定規棒のことでしょうかね。
現場用語とはいえ、他にも変な呼び方するのが多いですよ。
ノコ刃の高さも決まり、
ノコ刃の角度も決まり、
材料を平行に動かせるようになれば、
後は落ち着いて幹材に切り込みを入れていきます。


ノコの厚みは約2mm程度なので、切ったところがどうしてもスジっぽくなってしまいがちです。
ここの木肌を鑿で綺麗に整えていきます。


鑿の刃を研ぐのは相変わらずド素人レベルなのが悔やまれますね。汗

一通り、シマトネリコの幹への切り込み加工が整いました。

ここから組立に入っていきます。
加工したウォールナットの扉材をシマトネリコの幹材に組み込んでいきます。

幹材の上下に取りつけた木片が定規になっています。
そしてウォールナットの基準は加工台が基準。

ウレタン系の接着剤をしっかりと塗布して、固めに加工した溝に嵌め込んでいきます。
嵌め込んだら、クランプでしっかりとホールドして固定です。

しっかりと圧接されることで接着剤がムニっとハミ出てますね。
今回の固定にはビスは使用しません。
もちろん使った方がよりガッチリすることに違いはありませんが、どうしてもビスは見せたくなく接着剤での固定方法としました。
ウレタン系の接着剤の特徴としては、乾燥過程において微発泡の性質があり、この微発泡の恩恵で木目に喰らいつくようになります。したがって、しっかりとホールドしておかないと浮きが生じやすくなるので、そこは注意が必要ですね。
そのまま放置してしまうと後が厄介なので、拭き拭きしながら全体を組んでいきます。

ようやく全体が組みあがり、底板の取り付けまで済みました。

組みあがったばかりなので、ウォールナットも白っぽくぼんやりとしていますが、全体にオイル塗装を施すことで、良い感じの濡れ艶感が生まれ、しっとりとした表情に仕上がります。

やっぱりウォールナットとオイル塗装の相性は抜群ですね!
これでタワー型の靴置き棚の完成です!


アトリエに来られる方の靴置き棚として製作しました。
棚部分には同じウォールナットの細い棒を打って、靴が滑り落ちないようにしてあります。
◇ウォールナットのトロリー
◇シマトネリコのトロリー
◇ウォールナットとシマトネリコの靴置き棚
この3組が完成いたしました。

加えて言い換えれば、
“廃棄予定だったTVボード”と“廃棄予定のシンボルツリー”が、新しい姿に生まれ変わり、住まい手の元に戻ってくることができました。
お客様のアトリエに納めさせていただいた様子です。

3組並ぶと、気持ちよいです!

あれやこれやと試行錯誤の上、なんとか想いを形にできたのかなと思います。
むしろ自分のわがままを形にすることができてホッとしているといった方が合っているかもしれません。
半ば押しつけがましいことになっていないか心配な部分はありますが、少しでも想いが伝わってくれれば幸いだなと思います。
“Recollection(リコレクション)” のあるものを
“Reuse(リユース)” して
“Repair(リペア)” を施し、それに
“Ravishing(ラビッシング)” なしつらえと
“Remake(リメイク)” を加えて
“Reform(リフォーム)” をして、
そして住まい手であるお客様に
“Return(リターン)” する。
“ONE‘S HOME +R”は住まい手であるお客様の想いに寄り添う考え方そのものです。









